中町唐子車について

​※見送り幕と毛槍
​※3体のからくり人形
​※珊瑚の房飾りと留め金具

 天保年間(1830~43年頃)に知多郡内海村の豪商・前野小平治が20年余りの歳月をかけて製作させた山車を、明治8年(1875年)に有松町が購入しました。

基本的な構造は名古屋型でありながら、輪掛や毛槍、見送り幕がある等といった知多型の特徴を持ち合わせているのが最大の特徴です。

​また、唐三木(紫檀・黒檀・鉄刀木:非常に重く硬い木材)が使われている為、その見た目以上に重量のある山車です。

■贅の限りを尽くした装飾品の数々■

 前野家に待望の跡継ぎが誕生した事を祝って作られた山車である事から、総鉄刀木(ソウタガヤサン)造りの構造に加え、輪掛に青貝を散りばめた「螺鈿細工」を施したり、背面に取り付けられている房飾りに珊瑚を用いる等、大変豪華な装飾が施されています。

■からくり人形■

 からくり人形は、奥に「文字書き人形」、中央に「喜び人形(文字書き人形が綺麗に文字を書き終えると踊ってその喜びを表現します)」、前方に烏毛のついた笠をかぶった「麾振り唐子」が乗っています。

 これら唐子人形が乗っている事から、「唐子車」と呼ばれるようになりました。

「麾振り唐子」については名古屋の人形師「二代目隅田仁兵衛 真守」により弘化4年(1847年)に作られた人形であるという事だけがわかっています。

■水引幕と見送り幕■

 高欄下の三方を飾る水引幕は、白羅紗に金糸で波間を鯉が跳ねている図で、左右にそれぞれ2匹の鯉、後面に1匹の鯉が刺繍されています。

大幕(唐子車は無地の猩々緋)や水引幕を美しく飾る房を留める金具には「松」「竹」「梅」の模様が彫られています。

また、見送り幕には、紺地に金糸の草書で短歌が記されており、冷泉家の書であると伝えられています。

■衣裳■

 山車の担ぎ手である「楫方」やお囃子やからくり人形を担当する「山車方」の衣裳には地元の伝統工芸「有松絞り」が使われており、町の名前や「唐子車」にちなんだ鯉等の柄が施されています。

​■建造・大きさについて■

建造年:天保年間(1830~43年頃)

高さ:5.4m / 縦:6.1m(楫棒含む) / 横:2.5m

​※螺鈿細工を施した輪掛
​※提灯がともされた中町唐子車
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