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執筆者の写真有松天満社 花暦

有松天満社の瓦のお話

有松天満社は東海道の西にある祗園寺の4世文章卍瑞により、現・鎮座地に遷座し、文政7年(1824年)に荘厳な八ツ棟造りの社殿が建造されました。


当社の社殿は文政期の遺構を残しつつ、頭貫より上部は明治に名古屋の大工棟梁・9世伊藤平左衛門が手掛けた事が判っており、歴史的にも大変貴重な建造物です。

その重厚かつ繊細な屋根は、当時の絞り商の隆盛を反映しており、ご参拝の際に是非ともご覧いただきたい歴史的資源のひとつであります。



これらの繊細な装飾を施された瓦の中に、「滴水瓦」と呼ばれる瓦があります。

「滴水瓦」とは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、朝鮮からもたらされた瓦です。

雨水の切れを良くする為に逆三角形に垂れている瓦で、雨水による軒の劣化を防ぐ役割を持っています。

朝鮮出兵に出陣した武将が自身の城に滴水瓦を施した事でも知られており、有名なものとして姫路城・熊本城・松本城等があげられます。


有松では、当社のほかにも、東海道の町並みでも滴水瓦を見る事が出来、その趣向も様々です。


是非、有松へお出かけの際は、まちなみ散策のキーワードのひとつとして「瓦」をお加えいただければと存じます。

滴水瓦をはじめ、繊細な装飾が施された町並みの瓦をまちなみ散策と共にお楽しみ下さいませ。





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