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  • 執筆者の写真有松天満社 花暦

天神様と春まつり

更新日:2022年11月16日

有松天満社の御祭神・菅原道真公について---

 御祭神・菅原道真公は産土神(うぶすながみ)としては勿論、「学問の神様」として人々に親しまれております。


 道真公はご幼少の頃より和歌や漢詩を嗜んでおられ、その生涯に渡っていくつもの和歌や漢詩を残しておられます。

 「神童」と呼ばれた道真公は、その後も更に勉学に励み、32歳の頃に学者の最高位である「文章博士(もんじょうはくし)」となり、朝廷の要職へと栄進なさいました。


 また、道真公は学問だけではなく、武芸にも大変優れており、弓矢の腕前は百発百中を披露する程だったそうです。

 これらの逸話より、道真公は「学問の神様」「芸事の神様」として信仰されるようになりました。



春まつり(春季大祭)・祈年祭について---

 有松の地にいつから、菅原道真公をお祀りする祠があったのかは定かではありませんが、かつては祗園寺さんの境内に天満社の祠があり、寛政の初期に4世文章卍瑞によって現・鎮座地に祠を遷座した事から「文章嶺天満宮(有松天満社)」の歴史が始まります。


 春まつり(春季大祭)はかつて菅原道真公の御命日である旧暦2月25日に斎行されておりました。

 春まつりには笠鉾や音頭台が出ていた他、「天神さんのお祭り」である事から、社会人や子供たちによる相撲の奉納や芝居の奉納がありました(昭和33年まで)。

 特に相撲の奉納は大変盛んで、相撲の土俵も土を盛るところから始めるという本格的なものでした。

 「天神様は芸事よりは勇壮な事がお好き」と云われており、芝居を奉納すると雨、相撲を奉納すると晴れるとも云われる程だったとか---

 また、「学業の神様」「習字の神様」として知られる菅原道真公をお祀りしている事から、境内には「献書」が供えられておりました。


 時代と共に、祭礼日や祭礼の形式は変化してまいりましたが、「献書」の歴史は現在も大切に受け継がれており、毎年地元の小学5年生からの献書が寄せられております。

 寄せられました献書は、翌年の1月14日に斎行される左義長(どんど)で丁寧にお焚き上げさせていただいております。


 古来より、日本では季節や人生の節目には様々な儀礼を行い、家族の繁栄や健康を祈願しておりました。

 また、春は1年の始まりとも云われ、春にその年の五穀豊穣を祈願する「祈年祭」を斎行すると共に、健やかで実りある1年で過ごせるよう祈願してまいりました。


 さて、当社の春まつりでは、「祈年祭」と共に、学問に励み、健やかにお過ごしいただけますようご祈願申し上げる「勧学祭」を斎行致しております。


 これから入学試験に励まれる受験生の皆様や、ご進学をお迎えになる学生の皆様へおかれましては、是非、御神前にてお詣りいただき、御神徳をお授かり下さいませ。

 また、境内には「天神様の使い」として知られるお牛様(臥牛)も鎮座しており、筆で撫でていただきますと「学業成就」「諸芸成就」等の御神徳をお授かりいただけますので、併せてお詣り下さいませ。



≫春季大祭コラム 第2話「天満社の筆塚について」へ

≫春季大祭コラム 第3話「天神様とお牛様」へ

≫春季大祭コラム第4話「天神様と鷽鳥」へ

≫春季大祭コラム第5話「天神様と梅」へ

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